坂本真綾30周年記念LIVE"M30〜Your Best〜"有明アリーナ2days公演ライブレポート到着 2日間で延べ23,000人を動員

デビュー30周年を迎え、歌手、声優、俳優、作詞家、エッセイストなど第一線でマルチな活動を続けている坂本真綾が、2026年4月18日(土)・19日(日)に東京・有明アリーナにて30周年記念LIVE"M30〜Your Best〜"を開催。記念すべきアニバーサリーイヤーの最高のフィナーレとなった2days公演のライブレポートをお届けする。



このアニバーサリーライブは北川勝利(Bandmaster & Guitar)をバンドマスターとする初日を「Route A」、河野 伸(Bandmaster & Keyboards)をバンドマスターとする2日目を「Route B」とし、バンドメンバーもセットリストもほぼ異なる内容。昨年、坂本真綾が歌手デビューしてからの30年間にレコーディングされた255曲の中からファンによる人気投票が行われ、上位15曲が10月にリリースされたベストアルバム『M30〜Your Best〜』に収録されたが、今回の周年ライブでもその上位曲を中心にセットリストが組まれた。集まったファンがそれぞれに好きな曲を楽しみ、思い出を振り返りながら坂本真綾のこれまでの歩みを辿るような2日間となった。



初日の「Route A」公演は、「M30」の文字が踊るグラフィック映像に、北川勝利のアレンジによる「約束はいらない」「プラチナ」のメロディをモチーフにしたファンタジックなテーマ曲が添えられたOPENING S.E.の後に、ツアーバスが走る映像からスタート。これは2011年に開催された全国ツアー「坂本真綾LIVE TOUR 2011"You can't catch me"」のオマージュだ。あのバスが2026年の有明アリーナに到着するという演出で当時と同じように1曲目の「eternal return」が輝かしく鳴り響き、ステージ真ん中から坂本真綾がせり上がって登場すると、30周年の祝祭空間が華々しく幕を開けた。北川バンドを象徴する明るく晴れやかで軽快なバンドサウンドに、坂本の力強い歌声が乗ったエモーショナルなオープニングとなった。

最初のMCでは「こんなにいっぱいの人の前で歌うとか、どうかしてる〜!」と笑顔で率直な言葉を口にし、集まった観客みんなを笑顔に。「ずっと前から私のことを応援してくださっている方も、今日初めて私のことを知ってくれた人も置いてけぼりにしない優しいライブにしたいと思います!」と宣誓した。「紅茶」をしっとりと、でも清涼感たっぷりに歌い上げ、「birds」では狂おしくヒリヒリとした感情を伸びやかに歌い上げる姿が圧巻。「声出してくれるかな?」と会場にマイクを向けた「Drops」ではみんなが心の叫びを歌に乗せ、この日だけの音楽が完成した。

MCでは「歌手としてデビューした当時から人前に出るのがとにかく苦手で。菅野よう子さんからよく『自信がないならもっと努力しなさい』というようなことを言われていました。菅野さんの元を巣立ってからが坂本真綾の本当の始まりだったなと思います」としみじみと語る場面も。バンマスの北川からのリクエストでセットリストに入ったという「バイク」では坂本の衣装チェンジ中、ビジョンでメンバー紹介も入りながら扇谷研人(Keyboards)の繊細な音色や奥田健介(Guitar)のギターソロ、佐野康夫(Drums)と毛利泰士(Percussion)が繰り広げた壮絶な打楽器バトルなどで沸かせ、熱気溢れる演奏を繰り広げた。

終盤はリクエストのTop5を続けて披露。「光あれ」「約束はいらない」「Be mine!」「tune the rainbow」「プラチナ」と、ファンに長く愛され続けてきた曲たちを丁寧に大切に歌い上げていく。「この30周年は、一人でも多くの方に笑顔になってくれたらと思って活動をしてきました。31年目からは再び私は私のためだけに歌い続けたいと思います」と挨拶。終盤では1996年にリリースされたデビューシングル「約束はいらない」のC/W曲「ともだち」を久しぶりに披露し、「Get No Satisfaction!」では北川バンドならではの一体感のあるバンドサウンドと盛り上がりを見せた。最後は坂本が鍵盤ハーモニカを手にし、観客はそれぞれに旗を振り上げながら大合唱した「ポケットを空にして」。「また会う時まで、お元気で!」という挨拶でステージを去るまで、温かく優しく希望に満ちた光景が心に刻まれた。



2日目「Route B」は、前日と同じOPENING S.E.に続き、宇宙空間に次々とメンバーの名前が浮かび上がっていき、最後は地球が青と赤のリボンで結ばれ「Gift」と表示。これは2010年、坂本真綾の30歳の誕生日に開催された「15周年記念LIVE"Gift"at日本武道館」のオマージュだ。そのまま1曲目の「Gift」のイントロが奏でられると、上品な音の層の重なりが安定感抜群のサウンドで、昨日とはまた違った音楽世界に魅了されながら観客がハンズクラップを添える。坂本が舞台中央からポップアップで登場すると、滑らかな歌声を響かせながら笑顔で会場を見渡した。

事前のインタビューでも「ふたつのバンドとの相性を考えてセットリストを振り分けていきたい」と語っていた通り、「CLEAR」や「blind summer fish」など2日目も序盤から河野バンドならではの選曲が光る。そして「Remedy」を披露した後、「この曲は東日本大震災の時にツアーを中断せざるを得なくなって、再開した名古屋公演で急遽、歌いたくてセットリストに追加したんです。リハーサルでサウンドチェックをしながら涙で歌えなかったことを今でも覚えています」と泣きそうになりながら話してくれた。15周年記念の日本武道館公演では石成正人(Guitar)にギターを教わって披露したのに「その後全然弾いてなくてすみません!」と謝る場面も微笑ましかった。

2日目中盤、水面のような映像と松明の演出の中で披露されたのは「奇跡の海」。坂本の透明感のある歌声にハルナとENAのコーラスが加わって聴き応え抜群のハイライト。さらに「everywhere」は、この曲のアレンジャーでもある河野の鍵盤と、トレジョワイユの金原千恵子(Violin)と笠原あやの(Cello)、そして榎戸崇浩(Viola)のストリングスによって壮大に鳴り響き、彼女の豊かで柔らかなボーカルが際立った。坂本真綾が初めて作詞・作曲を手がけて2010年にリリースされた1曲だが、こうして30周年という節目に華やかに届けられた。それはまさに、彼女自身が自ら切り拓いて育ててきた音楽世界が確かにここにあることを証明し、祝福するような時間だった。



その後もバンドのメンバー紹介をビジョンに映し出しながらの「DIVE」のインストでは今堀恒雄(Guitar)が爪弾く旋律にみんなで酔いしれ、ファイヤーボールとレーザーのド派手な演出と共に披露された「トライアングラー」と「ヘミソフィア」を挟み、イントロから音源の世界観に忠実で鳥肌ものだった「時計」など、一瞬一瞬がハイライトとなった。終盤のTop5のコーナーでは華やかにエレガントに披露した「約束はいらない」、多くの人に愛されて曲自体も成長を遂げているように感じた「tune the rainbow」、そしてラストの「プラチナ」では坂本が心から嬉しそうな表情で歌っていた。

「Route A」では「誓い」に付けられていた30年間を振り返る過去映像が「Route B」では「これから」と共に流され、観客の感動も最高潮に。歌い終わると、「出会ってくれてありがとう」と客席を見渡しながらあらためて感謝を告げた。そして「こうしてライブに来てくださった皆さんは私にとって、かけがえのない……知人です。友達とか言えるタイプじゃなくてすみません!」と笑わせる一幕も。最後の「シンガーソングライター」では花道で歌い、アリーナの真ん中で旗を振りながら〈楽しいばかりじゃないから楽しい 生きることは音楽〉と堂々と歌い上げた。そしてステージ上の佐野(Drums)にアイコンタクトを送ると、息ぴったりにバンドは曲を締め括った。



有明アリーナに2日間で延べ23,000人を動員した「坂本真綾30周年記念LIVE"M30〜Your Best〜"」。彼女のアーティストとしての歩みを振り返りながら「あなたが好きな曲」にひとつひとつ素敵なリボンをかけられて手渡されるような嬉しさがあった。ファンにとって日常に寄り添い続けた楽曲たちが、また幸せな思い出を更新した2日間だっただろう。「同じ譜面(世界)の中に生きていれば、また同じ音楽を奏でられる日が来る」と彼女は言った。これは人生において30年という長い時間を音楽と向き合ってきたからこそ、みんなに伝えられる言葉だ。坂本真綾自身も、私たちも異なる人生を歩みながら、こうしてひとつの音楽を奏でる日を励みにこれからも毎日を生きていく。

Text:上野三樹
撮影:羽田 誠

【Route A〈北川勝利バンド〉Set List】
eternal return/マジックナンバー/ループ/紅茶/ユッカ/指輪-single ver.-/Rule〜色褪せない日々/birds/Drops/誓い/バイク/躍動/時計/光あれ/約束はいらない/Be mine!/tune the rainbow/プラチナ/ともだち/Get No Satisfaction!/ポケットを空にして

【Route B〈河野伸バンド〉Set List】
Gift/マメシバ/CLEAR/blind summer fish/Remedy/カザミドリ/プラリネ/奇跡の海/Drops/everywhere/DIVE/風が吹く日/トライアングラー/ヘミソフィア/時計/光あれ/約束はいらない/Be mine!/tune the rainbow/プラチナ/これから/シンガーソングライター

■坂本真綾 30周年記念LIVE"M30〜Your Best〜"セットリスト公式プレイリスト
https://maaya.lnk.to/30thlive

■坂本真綾 30周年記念スペシャル映像
https://youtu.be/g0N9ruySK6s

■30周年記念ベストアルバム『M30〜Your Best〜』発売中
初回限定盤(2CD+1BD)VTZL-261/6,600円(税込)
通常盤(2CD)VTCL-60651〜2/3,520円(税込)
VOS盤(2CD+1BD+30周年記念オリジナルTシャツ)VTZL-261+FLDZY-20/9,900円(税込)
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/m30yourbest

■スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』最終章主題歌「時計」配信中
作詞・作曲:坂本真綾/編曲:江口 亮/ストリングス編曲:江口 亮・miri
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/Tokei
「時計」Music Video:https://youtu.be/fpjE6ZZWKTM

■坂本真綾オフィシャルサイト「I.D.」
http://www.jvcmusic.co.jp/maaya/

■30周年特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/maaya/30th/

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